2019年02月03日

カラテ

 こんにちは。

 先週、私が風邪をこじらせて肺炎の初期症状になったという記事を掲載しましたら、何人かの方からお見舞いのメールを頂きました。大変ありがとうございました。感謝申し上げます。お陰様で熱も下がり咳もでなくなり、すっかり元気になりました。

 さて今日は、私が若い頃空手に熱中した時期があって、そのことを、当時「暮しの手帖」という雑誌の “素晴らしき日曜日” というコーナーに投稿したところ、運良く採用されたものをご紹介させて頂きます。今日そのことをふと思い出しましたので、思い立って今日のブログに掲載させて頂くことにしました。少々長いですが、お時間のある時にでも良かったらどうぞ


 ☆「廻し蹴り目指し四十にして酢を飲む」 

 四十歳の大台を越え、日々衰えゆく体力を実感した時「いや、まだまだ若い者には負けられん!」と一大決心をし、五十の手習いならぬ四十の手習いで始めたのが知る人ぞ知る、かの空手バカ一代・大山倍達の極真カラテである。

 稽古日は毎週日曜日である。私は純白の道着に身を包み、毎週かかさず道場に通いはじめた。極真は直接打撃制なので 正拳やら蹴りやらが生身にひびく。相手の若者は私が四十過ぎのオジサンなので手加減と足加減(?)してくれているのだろうけれど、正直随分とこたえる。ある時は、下段廻し蹴りをまともにもらってノックアウト。 一週間足をひきずるはめとなる。またある時は、後ろ蹴りがみぞおちのやや上に入り、ミシッと肋骨が音をたてたような気がしたり。まわりはいつまで続くことかと見ていたようだが、そこはコケの一念、いつのまにやら帯も白帯から青帯、黄帯と上が り、今では道場でもやや先輩格となってきた。

 さて、空手を始めてすぐにぶつかった壁が、身体の固さで ある。特に蹴りなどの技では身体が固くてはとても様になら ない。現実、自分ではブルース・リーのように華やかな上段廻し蹴りをしているつもりなのだが、鏡に写る我が姿は、ど う見てもへっぴり腰の下段蹴りである。(足が上がらないので下段蹴りになってしまう)

 そこで一念発起、毎夜、風呂上がりに柔軟体操を始めた。 そして一方、酢が身体を柔らかくすると聞いては、早速、朝、昼、晩とお茶がわりに酢を薄めて飲んでみた。すると、人間の身体とは本当にたいしたものである。四十過ぎの身体も一日約1ミリずつ曲がるようになり、二年経った今日では、開脚をして、最初はアメリカ程も遠く見えていた股の間の床にアゴがつくようになったのだ。

 ところで入門する時、空手をやるものはさぞ乱暴な人種が 集まっているのではないかと思っていたのだが、それは正反対であった。実際は私を筆頭に、弱きを助け強きをくじく、正義の味方の集まりであった。(とはあくまでも私の主観によるものだが)。むしろときどき髪を染め、世をすねたようないかにもそれらしい者が入ってくるが、これがまず三日と続かない。今度は何ヶ月も続くなと思っていたら、逆にいつのまにか髪を切り、澄んだ眼差しになっている。

 今、学校教育でいじめが問題となっているが、いじめっ子は自分自身の修練のために、また、いじめられっ子も自信がつくだろうから、それぞれ空手をやれば解決するのではないかと思う。

 さて明日日曜日。年齢なんぞなんのその。呆れ顔の家族を尻目に我は行く。 

  (暮しの手帖 1996年6.7月/第62号掲載)



 あれからずいぶんと年月が経ちましたが、何にでもすぐ熱中してしまう性格は、幾つになっても変わらないなぁと思いました。この意気で、今年も頑張ろうと思います。

 と言うところで、今週もガンバ p(^^)q。




  


Posted by きのちゃん at 00:01Comments(0)その他つれづれ日記