2011年08月19日
エロスの源泉 ルンバ(2)
「エロスの源泉 ルンバ」の続編です。長文ですので、お時間のある時にどうぞ。
では早速、
|人はダンスを始めると普段と違った風に装う喜びに目覚める。
|
|たとえば、蝶の形で胸を覆うトップが店頭に吊してあるような、モンマ
|ントルの丘周辺にあるキンキラキンのブティックの前で立ち止まること
|になる。あれを着て街なかを歩いたら職業を疑われることまちがいなし。
|それはやっぱり困るが、もう少し控えめでダンスに使えそうなものもあ
|りそうだ。私はしばらく店のまわりをうろうろして迷ったものだ。
|
|意を決してドアを押すと、キュートでセクシーでしかも動きやすそうな
|ものがわんさかあって目を見張る。ダンスをしていなかったら、こうい
|う店に足を踏み入れることは永遠になかったことだろう。
|
|もともとフランスのいいところは、年齢に関係のないおしゃれができる
|ことなのだが、分野がダンスとなれば、さらに年齢などなきに等しいも
|のとなる。思いきって、気に入ったものをひとつだけ購入してみる。こ
|れが第一歩である。いそいそと家に帰り、鏡に自分の姿を映してみる。
|(中略)
|
|自分で選んだ服のイメージにも驚くが、同時に、自分がなりたかった女
|性のイメージというのが、実はたったひとつではなかったということに
|も気づき、改めて驚く。清楚でエレガントなオードリー・ヘップバーン
|が好みだが、ジャンヌ・モローの凄みのきいたセクシーさにも惹きつけ
|られる。アジア女性の透明感はどこかで持っていたいけど、アフリカ女
|性の豊満な肉体のパワーにも憧れる。なんともがめつい限りだ。現実の
|自分を振り返ると、情けないかな、どのイメージからもほど遠い。それ
|でもダンスを通してなら存分に遊べる。そう気づいてわくわくしてくる。
|(中略)
|
|今度のソワレ(ダンスパーティ)にはどんな格好をしよう、と何ヶ月
|も前から想いをめぐらせる。それだけで毎日の生活がときめいてくる。
|一年間、汗水を流して働き、カーニバルで一挙に非日常を生き、凝縮
|されたエネルギーを爆発させるブラジルの人たちの心情がわかるよう
|な気がする。非日常のない生活など、死んでいるも同然ではないか。
|
|ダンスはこうしていのちを活性化する。
|
|(浅野素女 著「踊りませんか?」第5章 エロスの源泉 ルンバ から引用)
以前私のブログでも触れましたが、ダンスの魅力の一つに、ドレスを着る楽しみというものがあります。ダンス愛好家の方のなかには、ダンスを踊ることよりも、ドレスを着ることが楽しみで続けておられるのではと思われる方もいます。
実際に以前、パーティダンス歴が長くて、ある程度踊れる方から、「ダンスを一緒に踊らなくてもいいので、ドレスを着て先生と組んでいるところの写真を撮らせてもらえませんか?」と頼まれたことがありましたσ(^_^;)。
で、私は、「えっと、私の仕事は一応レッスンをすることですので…」と答えましたら、「それじゃレッスンを受けますので、先で先生が私が上手になったと思ったら言って下さい。そしたら、ドレスを着てミックスコンペ(生徒さんと先生とで組んで踊るダンスの競技会)に出ます。その時写真をお願いします」ということになり、レッスンを受けられることになりました。
その方はその後熱心にレッスンを受けられて、2年後くらいにミックスコンペに出場され、優秀賞を取られ、その楯と一緒にめでたくツーショットの写真ができあがりました。
入口はドレスでも何でもいいのです。ダンスにはそんな魅力があります。
長くなりましたので、今夜はこの辺で。
PS:
「エロスの源泉 ルンバ」編は、もう一回続きます。

では早速、
|人はダンスを始めると普段と違った風に装う喜びに目覚める。
|
|たとえば、蝶の形で胸を覆うトップが店頭に吊してあるような、モンマ
|ントルの丘周辺にあるキンキラキンのブティックの前で立ち止まること
|になる。あれを着て街なかを歩いたら職業を疑われることまちがいなし。
|それはやっぱり困るが、もう少し控えめでダンスに使えそうなものもあ
|りそうだ。私はしばらく店のまわりをうろうろして迷ったものだ。
|
|意を決してドアを押すと、キュートでセクシーでしかも動きやすそうな
|ものがわんさかあって目を見張る。ダンスをしていなかったら、こうい
|う店に足を踏み入れることは永遠になかったことだろう。
|
|もともとフランスのいいところは、年齢に関係のないおしゃれができる
|ことなのだが、分野がダンスとなれば、さらに年齢などなきに等しいも
|のとなる。思いきって、気に入ったものをひとつだけ購入してみる。こ
|れが第一歩である。いそいそと家に帰り、鏡に自分の姿を映してみる。
|(中略)
|
|自分で選んだ服のイメージにも驚くが、同時に、自分がなりたかった女
|性のイメージというのが、実はたったひとつではなかったということに
|も気づき、改めて驚く。清楚でエレガントなオードリー・ヘップバーン
|が好みだが、ジャンヌ・モローの凄みのきいたセクシーさにも惹きつけ
|られる。アジア女性の透明感はどこかで持っていたいけど、アフリカ女
|性の豊満な肉体のパワーにも憧れる。なんともがめつい限りだ。現実の
|自分を振り返ると、情けないかな、どのイメージからもほど遠い。それ
|でもダンスを通してなら存分に遊べる。そう気づいてわくわくしてくる。
|(中略)
|
|今度のソワレ(ダンスパーティ)にはどんな格好をしよう、と何ヶ月
|も前から想いをめぐらせる。それだけで毎日の生活がときめいてくる。
|一年間、汗水を流して働き、カーニバルで一挙に非日常を生き、凝縮
|されたエネルギーを爆発させるブラジルの人たちの心情がわかるよう
|な気がする。非日常のない生活など、死んでいるも同然ではないか。
|
|ダンスはこうしていのちを活性化する。
|
|(浅野素女 著「踊りませんか?」第5章 エロスの源泉 ルンバ から引用)
以前私のブログでも触れましたが、ダンスの魅力の一つに、ドレスを着る楽しみというものがあります。ダンス愛好家の方のなかには、ダンスを踊ることよりも、ドレスを着ることが楽しみで続けておられるのではと思われる方もいます。
実際に以前、パーティダンス歴が長くて、ある程度踊れる方から、「ダンスを一緒に踊らなくてもいいので、ドレスを着て先生と組んでいるところの写真を撮らせてもらえませんか?」と頼まれたことがありましたσ(^_^;)。
で、私は、「えっと、私の仕事は一応レッスンをすることですので…」と答えましたら、「それじゃレッスンを受けますので、先で先生が私が上手になったと思ったら言って下さい。そしたら、ドレスを着てミックスコンペ(生徒さんと先生とで組んで踊るダンスの競技会)に出ます。その時写真をお願いします」ということになり、レッスンを受けられることになりました。
その方はその後熱心にレッスンを受けられて、2年後くらいにミックスコンペに出場され、優秀賞を取られ、その楯と一緒にめでたくツーショットの写真ができあがりました。
入口はドレスでも何でもいいのです。ダンスにはそんな魅力があります。
長くなりましたので、今夜はこの辺で。
PS:
「エロスの源泉 ルンバ」編は、もう一回続きます。

2011年08月17日
エロスの源泉 ルンバ
お待たせしました(^^)/。超過激タイトル記事第2弾です。
第1弾が思いがけず反響があったので、気を良くして早めに第2弾をお送りすることにしました。今回も前回に引き続き「踊りませんか?」からの引用です。では早速、
|ルンバの官能性
|
|ルンバはテン・ダンスの中で最も官能的な踊りだろう。甘くけだるいメ
|ロディーに乗せて男女の駆け引きが演じられる。あの音楽が流れてくる
|と、誰だってうっとりする。恋していなくてもなんだか胸が締めつけら
|れる。成就しなかった遠い日の恋の思い出が蘇るからだろうか。
|
|ルンバの表現は男女の駆け引きの典型に尽きる。気を引く女と、手練手
|管を尽くして女を捕らえようとする男。挑発する女と、その気になる男。
|逃げる女と、追う男……。(中略)
|
|パートナーの手を取り、音楽に身を委ねてみよう。踊りの動きに誘発さ
|れて、日常の中で封じ込められていたエロスのもつエネルギーがざわざ
|わと蠢(うごめ)き出すはずだ。それは誰か特定の人に向けられたもの
|というより、私たちの肉体そのものが内に秘めているエネルギーであり、
|男という性、女という性がもともと抱え込んでいるエロスの力であるの
|だろう。
|
|(浅野素女 著「踊りませんか?」第5章 エロスの源泉 ルンバ から引用)
ということですので、よろしくお願いします。
じゃなくて、何かコメントしろ(-_-)/~~~ピシー!>きのちゃん
あ、やっぱそうですよね(;^_^A 。
えっと、まぁそーいうことで、ルンバはそういうダンスでして、だからと言って、普通のダンス愛好家の方達が、みんながみんなパーティで、そーいうルンバを踊っているという訳でもないです。はい。
でも、ルンバとかチャチャチャとかのラテン種目では、ヒップアクションとかヒップムーブメントという、ヒップを美しくムービングさせる技術がありまして、これは誰もがあこがれる技術のひとつです。
長くなりましたので、今夜はこの辺で。
ps:
「エロスの源泉 ルンバ」の続編も予定していますので、お楽しみに。
第1弾が思いがけず反響があったので、気を良くして早めに第2弾をお送りすることにしました。今回も前回に引き続き「踊りませんか?」からの引用です。では早速、
|ルンバの官能性
|
|ルンバはテン・ダンスの中で最も官能的な踊りだろう。甘くけだるいメ
|ロディーに乗せて男女の駆け引きが演じられる。あの音楽が流れてくる
|と、誰だってうっとりする。恋していなくてもなんだか胸が締めつけら
|れる。成就しなかった遠い日の恋の思い出が蘇るからだろうか。
|
|ルンバの表現は男女の駆け引きの典型に尽きる。気を引く女と、手練手
|管を尽くして女を捕らえようとする男。挑発する女と、その気になる男。
|逃げる女と、追う男……。(中略)
|
|パートナーの手を取り、音楽に身を委ねてみよう。踊りの動きに誘発さ
|れて、日常の中で封じ込められていたエロスのもつエネルギーがざわざ
|わと蠢(うごめ)き出すはずだ。それは誰か特定の人に向けられたもの
|というより、私たちの肉体そのものが内に秘めているエネルギーであり、
|男という性、女という性がもともと抱え込んでいるエロスの力であるの
|だろう。
|
|(浅野素女 著「踊りませんか?」第5章 エロスの源泉 ルンバ から引用)
ということですので、よろしくお願いします。
じゃなくて、何かコメントしろ(-_-)/~~~ピシー!>きのちゃん
あ、やっぱそうですよね(;^_^A 。
えっと、まぁそーいうことで、ルンバはそういうダンスでして、だからと言って、普通のダンス愛好家の方達が、みんながみんなパーティで、そーいうルンバを踊っているという訳でもないです。はい。
でも、ルンバとかチャチャチャとかのラテン種目では、ヒップアクションとかヒップムーブメントという、ヒップを美しくムービングさせる技術がありまして、これは誰もがあこがれる技術のひとつです。
長くなりましたので、今夜はこの辺で。
ps:
「エロスの源泉 ルンバ」の続編も予定していますので、お楽しみに。

2011年08月15日
ブログのこと
このブログを開設して2ヶ月経ちました。
最初は、私のパソコンのお客様が(私はダンス教室経営とパソコン関連ビジネスの2足のわらじでやっています)おてもやんブログを始められて、使い方が良くわからないので教えて欲しいと言われたので、ご指導するためには自分も開設して使ってみた方が良いと思って、テスト的な軽い気持ちで始めたものでした。
私自身もブログは初めてでしたので、試行錯誤しながらの2ヶ月でした。
この2ヶ月で、ブログを通して色々な方たちとお知り合いになることができ、新しいコミニティの世界も開けてきて、ブログを始めて良かったと思っています。これは思いがけない嬉しい事でした。
毎日の平均アクセス数は20~30カウントくらいですが、先週、一般公開であるブログのタイトルとしては少々過激すぎるのではと、ためらっていたものの、ま、いっかと、発信した記事が思いがけず反応があり、初めて100カウントを越えました(^^)v。
アクセスは、やはり少ないより多い方が張り合いがありますので、今後プラトー現象(覚えておられますか?)っぽくなってきたら、また過激タイトル記事第2弾を掲載したいと思いますのでお楽しみに。あ、違うか(^_^;)。
というところで、これからもよろしくお願い致します。
最初は、私のパソコンのお客様が(私はダンス教室経営とパソコン関連ビジネスの2足のわらじでやっています)おてもやんブログを始められて、使い方が良くわからないので教えて欲しいと言われたので、ご指導するためには自分も開設して使ってみた方が良いと思って、テスト的な軽い気持ちで始めたものでした。
私自身もブログは初めてでしたので、試行錯誤しながらの2ヶ月でした。
この2ヶ月で、ブログを通して色々な方たちとお知り合いになることができ、新しいコミニティの世界も開けてきて、ブログを始めて良かったと思っています。これは思いがけない嬉しい事でした。
毎日の平均アクセス数は20~30カウントくらいですが、先週、一般公開であるブログのタイトルとしては少々過激すぎるのではと、ためらっていたものの、ま、いっかと、発信した記事が思いがけず反応があり、初めて100カウントを越えました(^^)v。
アクセスは、やはり少ないより多い方が張り合いがありますので、今後プラトー現象(覚えておられますか?)っぽくなってきたら、また過激タイトル記事第2弾を掲載したいと思いますのでお楽しみに。あ、違うか(^_^;)。
というところで、これからもよろしくお願い致します。

2011年08月14日
リードとフォロー ダンスの究極(2)
さて、先週に引き続き今週の日曜日も、リードとフォローについてのお話です。しばらくは毎週日曜日を、このテーマに充てていきたいと思っています。
ダンスはステップではない、なんて言っても、そもそもステップを知らなきゃ踊りようがないではないの、という声が聞こえて来そうですが、それはその通りです。
大切なことは、ステップを覚えながらも、同時に常にリードとフォローのことを考えるということなのです。
それが、男性も女性も、先ずはステップを覚えなくてはという気持ちが強くなりすぎて、目の前のパートナーのことを忘れてしまうことが問題なのです。
リードとフォローの大切さを、最初の最初に徹底的に頭と身体に染み込ませておかないと、ステップだけを覚えて、そのまま年月が経つと、男性は「俺について来い」ダンスになり、女性は「自分勝手に踊る」ダンスになってしまうのです。
男女とも一旦このダンスが身についてしまうと、パーティに行っても、なかなか気持ちよく踊れる相手が見つからず、男性は女性を誘っても断られることが多く、女性は男性から誘われる機会が少なくて、いわゆるパーティの壁の花になってしまいます。
私はたまたま大学時代に最初にダンスを教えて頂いた恩師の先生が、その大切さを教えて下さったので、それが当然のことだと思っていました。ところが卒業して上京し、外のダンスの世界に入った時、どうもこのことが忘れられている、それどころか、ほとんどの人が気がついていないことを知りました。
10年前にプロになろうと決心し、今こうやってダンス教室をやっているのは、一人でも多くのダンス愛好家の人達に、このダンスの真の魅力をお伝えしたいと思っているからです。
来週は、ではどうやればこのリードとフォローのコツがつかめるか、ということに触れてみたいと思います。
長くなりましたので、今日はこの辺で。
ダンスはステップではない、なんて言っても、そもそもステップを知らなきゃ踊りようがないではないの、という声が聞こえて来そうですが、それはその通りです。
大切なことは、ステップを覚えながらも、同時に常にリードとフォローのことを考えるということなのです。
それが、男性も女性も、先ずはステップを覚えなくてはという気持ちが強くなりすぎて、目の前のパートナーのことを忘れてしまうことが問題なのです。
リードとフォローの大切さを、最初の最初に徹底的に頭と身体に染み込ませておかないと、ステップだけを覚えて、そのまま年月が経つと、男性は「俺について来い」ダンスになり、女性は「自分勝手に踊る」ダンスになってしまうのです。
男女とも一旦このダンスが身についてしまうと、パーティに行っても、なかなか気持ちよく踊れる相手が見つからず、男性は女性を誘っても断られることが多く、女性は男性から誘われる機会が少なくて、いわゆるパーティの壁の花になってしまいます。
私はたまたま大学時代に最初にダンスを教えて頂いた恩師の先生が、その大切さを教えて下さったので、それが当然のことだと思っていました。ところが卒業して上京し、外のダンスの世界に入った時、どうもこのことが忘れられている、それどころか、ほとんどの人が気がついていないことを知りました。
10年前にプロになろうと決心し、今こうやってダンス教室をやっているのは、一人でも多くのダンス愛好家の人達に、このダンスの真の魅力をお伝えしたいと思っているからです。
来週は、ではどうやればこのリードとフォローのコツがつかめるか、ということに触れてみたいと思います。
長くなりましたので、今日はこの辺で。

2011年08月13日
セックスよりいい?(3)
「セックスよりいい?(2)」の記事へのコメントで、「こうした身体的接触があればこそ、上流階級の舞踏会はさまざまな規則で縛られていた」という下りについてご質問がありましたので、勢いにのって、「セックスよりいい?(3)」としてまたご紹介させて頂きます。少々長くなりますので、お時間のある時にどうぞ。
残暑で暑いから、いいですね!(^^)! って、カンケイないか…。
|上流階級のパル
|(注:「パル」とはフランス語で舞踏会の意味。以下舞踏会と訳しておきます)
|
|19世紀から20世紀初頭にかけて百花繚乱、まばゆいばかりの輝きを
|放つのが、上流階級の舞踏会である。招待客は、当然のことながらあら
|かじめ厳選され、通知を受けた者に限られた。招待するる側もされる側
|も、舞踏会への参加によって自分の社会的地位をアピールすることが目
|的であった。
|
|舞踏会にはいくつかの決まり事があった。服装にしても、女性のドレス
|は、大きく胸の開いたデコルテでなければならなかった。メイドの手伝
|いがないとひとりでは脱ぎ着に困るような代物である。匂い立つような
|胸元と結い上げた豊かな髪を、さらに宝石や布で飾り立てる。既婚婦人
|であればこそ許された、女性の官能美を全開にした装いであった。金と
|地位に事欠かない男性陣にとっては、舞踏会に集まるほかの女性たちの
|美貌と優雅さを愛で、同時に自分の妻の美貌を周囲に誇示する絶好の機
|会でもあった。(中略)
|
|女性たちは壁沿いに並んだ椅子に腰をかけ、男性はサロンの側廊や奥の
|小部屋に立った。当時の舞踏会はさまざまな規則に縛られたものであり、
|若い男女が会話を楽しむような自由な雰囲気ではなかった。ましてや女
|性から男性をダンスに誘うなど、とんでもないこと。男性から「踊って
|いただけるでしょうか」と誘われるのをひたすら待つ。(中略)
|
|すべてがお堅い規則でがんじがらめのようだが、同時に、官能の饗宴が
|繰り広げられる逆説に満ちた場所でもあった。なぜなら、既婚女性は官
|能を煽るような装いに身を包み、堂々とそれを武器に社交を展開したし、
|若者たちはと言えば、近親者や客たちの監視下ではありながら、異性と
|直接からだを触れ合わせるという、ダンス以外の状況では考えられない
|ことを許されていたのだから。
|
|(浅野素女 著「踊りませんか?」第8章 上流階級のパル から引用)
書きながら気がついたのですが、この雰囲気は現在のダンスの競技会の雰囲気と少し通じるものがあるなぁと思いました。
さぁ、あなたもドレスと燕尾服に身をつつんで、舞踏会デビューされませんか?

残暑で暑いから、いいですね!(^^)! って、カンケイないか…。
|上流階級のパル
|(注:「パル」とはフランス語で舞踏会の意味。以下舞踏会と訳しておきます)
|
|19世紀から20世紀初頭にかけて百花繚乱、まばゆいばかりの輝きを
|放つのが、上流階級の舞踏会である。招待客は、当然のことながらあら
|かじめ厳選され、通知を受けた者に限られた。招待するる側もされる側
|も、舞踏会への参加によって自分の社会的地位をアピールすることが目
|的であった。
|
|舞踏会にはいくつかの決まり事があった。服装にしても、女性のドレス
|は、大きく胸の開いたデコルテでなければならなかった。メイドの手伝
|いがないとひとりでは脱ぎ着に困るような代物である。匂い立つような
|胸元と結い上げた豊かな髪を、さらに宝石や布で飾り立てる。既婚婦人
|であればこそ許された、女性の官能美を全開にした装いであった。金と
|地位に事欠かない男性陣にとっては、舞踏会に集まるほかの女性たちの
|美貌と優雅さを愛で、同時に自分の妻の美貌を周囲に誇示する絶好の機
|会でもあった。(中略)
|
|女性たちは壁沿いに並んだ椅子に腰をかけ、男性はサロンの側廊や奥の
|小部屋に立った。当時の舞踏会はさまざまな規則に縛られたものであり、
|若い男女が会話を楽しむような自由な雰囲気ではなかった。ましてや女
|性から男性をダンスに誘うなど、とんでもないこと。男性から「踊って
|いただけるでしょうか」と誘われるのをひたすら待つ。(中略)
|
|すべてがお堅い規則でがんじがらめのようだが、同時に、官能の饗宴が
|繰り広げられる逆説に満ちた場所でもあった。なぜなら、既婚女性は官
|能を煽るような装いに身を包み、堂々とそれを武器に社交を展開したし、
|若者たちはと言えば、近親者や客たちの監視下ではありながら、異性と
|直接からだを触れ合わせるという、ダンス以外の状況では考えられない
|ことを許されていたのだから。
|
|(浅野素女 著「踊りませんか?」第8章 上流階級のパル から引用)
書きながら気がついたのですが、この雰囲気は現在のダンスの競技会の雰囲気と少し通じるものがあるなぁと思いました。
さぁ、あなたもドレスと燕尾服に身をつつんで、舞踏会デビューされませんか?
